中国古代の時代、漢人もまた歌い踊ることが得意でした。しかし、なぜ近代において55の少数民族は歌を歌い踊るのが得意なのに、漢人はただ強気を吹くだけなのでしょうか？春秋戦国時代、『詩経』に収められた民謡の多くは、庶民が労働や祭りの際に歌って踊っていたもので、「関関雎鳩、河の洲に在り」というような情歌の背後には、即興の歌舞の場面があったかもしれません。唐朝になると、宮廷での『霓裳羽衣舞』は目を見張る美しさで、舞姫たちは軽やかな絹をまとい、胡琴や琵琶に合わせて舞い、民間でも花灯祭りや社火での秧歌や舞龍の景色が熱気に溢れていました。宋朝の瓦肆勾栏、元明の演劇団、清朝の庙会において、漢人は常に歌舞を欠かしたことはありませんでした。山東の鼓子秧歌や江南の獅子舞、どれも歌って踊る狂欢の一部です。しかし近代に入ると、漢人が「踊れない」という感じがするのはなぜでしょうか？ 清末民初において、儒教思想は「礼」を天よりも重視し、「非礼勿動」を強調しました。女性が顔を出して踊ることは「不正経」とされる恐れがありました。例えば、晩清の大名家の女子が唐朝の奔放な舞姿を学びたいと思ったとしても、そんなことは許されませんでした。目を伏せ、従順で「女徳」を守らなければなりませんでした。これにより多くの民間の歌舞は徐々に控えめになり、私人の場や小規模な演技に変わっていきました。対照的に少数民族は、例えば新疆のウイグル族では、麦西来甫舞会で男女老若が焚き火を囲んで歌って踊り、自由奔放です。雲南のダイ族の孔雀舞では、孔雀が羽を広げる動きが絵のように美しく、礼教の束縛など気にしません。彼らは遠隔地に住んでおり、儒教の規範は及ばず、歌舞は日常生活の一部となりました。 新中国成立初期、特に1949年から1970年代にかけて、全国で素朴な「粗布の衣服」が推奨され、灰色、青色、緑色の「毛式制服」がほぼ一色に統一され、「艱苦朴素」が奨励されました。派手な服装は「資本家の贅沢」と見なされ、漢族の民間舞踊の衣装は粗布の青いシャツに取って代わられ、踊る際の喜びが失われ、次第に魅力を失っていきました。これは漢族の歌舞文化の衰退にも大きく寄与しました。当時政府は「民族団結」を推進しましたが、少数民族は「民族の特性」によってこの単一の服装の制約から免除されていました。