アメリカのドローン市場で興味深い権力闘争が起きている。Brincの創業者であるブレイク・レズニックは、サム・アルトマンやピーター・ティールといった大物たちから強力な支援を受けている。彼の戦略は？自社のクアッドコプターを米国の法執行機関の定番製品に押し上げることだ。

しかし、ここからが本番だ。レズニックは単に製品の質で競争しているだけではない。ロビー活動にも積極的に取り組み、連邦政府に対して最大の競合相手である中国のドローンメーカーを締め出すよう働きかけている。実力だけで勝てないときには、政策によって土俵を変えるという古典的な戦略だ。

この状況は、テクノロジー分野の競争がもはやイノベーションだけでなく、規制の取り込みを巡る戦いになっていることを浮き彫りにしている。ベンチャー支援を受けたスタートアップが地政学的緊張を利用して競合他社を不利に追い込むとき、そこにはビジネス戦略と政府政策がリアルタイムで交差する現場が現れている。