ヨーロッパ最大の経済大国が新たな手を考え始めている。ドイツからのニュースによると、政府系の復興信用銀行がレポートを発表し、関税カードの活用も提案している。その理由は、いわゆる市場の公正な競争を守るためだという。

率直に言えば、ドイツの産業はここ2年あまり良い状況ではない。レポートでは他国のせいばかりにせず、自国の問題も多いと認めている。人件費が異常に高く、様々な規制でがんじがらめ、エネルギーコストも痛いほど高い。しかし話の矛先はすぐに他国の産業政策へと向かう。

今、テーブルの上にある選択肢は2つ。歯を食いしばって内部改革に取り組むか、あるいは海の向こうの例にならって貿易保護策をとるか。どうやら両方を狙っているようだ。グローバル化の潮流が後退し、各国が自国の利益を最優先に考え始めているのがますます明らかになってきた。