Web3ゲームの衰退が鮮明に:2025年に相次ぐ17タイトルの終焉と業界の転機

かつてインタラクティブエンターテイメントの未来として称賛されたweb3 ゲーム業界が、今日本当の試練を迎えています。2025年を通じて相次いだ17のweb3 ゲーム閉鎖は、単なる個別プロジェクトの失敗ではなく、ブロックチェーンゲーム全体が直面する構造的な課題を映し出しています。資金難、技術的な脆弱性、そして市場評価の喪失——これらが同時多発的に業界を襲い、かつての楽観的なビジョンは大きく後退させられたのです。

資金枯渇が招いたweb3 ゲームの連鎖閉鎖

Anterris、Nyan Heroes、Kryptomon、Valeria:これらのweb3 ゲームは、開発元の資金が尽きたことで開発を中止または無期限延期となりました。

Anterrisは、開発元Battleboundsが4年にわたる開発を経ながらも、資金不足と「極めて厳しい市場動向」により閉鎖を余儀なくされました。ポケモン風の生物収集RPGとして注目を集めていたにもかかわらず、最終的には新たな資金調達ができずプロジェクトは凍結状態に。その背景には、市場全体の投資意欲の低下が存在します。

Nyan Heroesも同じく資金確保の困難に直面しました。Epic GamesとSteamプラットフォームで4回のプレアルファテストを実施し、100万人を超えるプレイヤーを獲得した実績があるにもかかわらず、開発元の9 Lives Interactiveは資金調達に苦しみ、結局プロジェクトの終了を発表。著名人の支援やNFT発売など大きな期待を集めていたweb3 ゲームが、市場の冷え込みの前に無力化されたのです。

KryptomonはNFT育成RPGとして機能していましたが、資金枯渇により開発は保留状態に。Playdexとの連携でレンタルマーケットプレイスを構築していた試みも、結局は資金問題には勝てませんでした。

Valeriaも同様に、資金枯渇によりモバイルゲームとトレーディングカードゲームの開発とサポートを一時停止。現在、投資家や潜在的な買い手を探しながら運営を続けている状態です。

技術的脆弱性とセキュリティリスクが露呈したweb3 ゲーム

web3 ゲームが掲げるブロックチェーン技術のメリットは、同時に重大なリスクをもたらします。RoboKidenがまさにこの脆弱性を証明しました。

2024年12月25日、Avalanche上のRoboKidenのスマートコントラクトに脆弱性が発見され、攻撃者が3,870万$KIDENトークンを盗むことに成功。所有権チェックの欠如というセキュリティ上の不備が、プロジェクト全体の存続を揺さぶりました。盗まれたトークンの一部が低価格で取引に流され、さらなる損害が拡大。この事件はweb3 ゲームのセキュリティ体制の脆弱さを業界全体に知らしめるものとなりました。RoboKidenはハッキング被害後、事実上の更新停止に追い込まれています。

Blade of God Xもまた信頼性の問題に直面しました。元最高マーケティング責任者が、Web3開発ロードマップの放棄、チーム給与の滞納、プレイヤーに約束されていたNFT関連特典の無視を非難。Web2チームが内部アカウントを利用して不正行為を行ったとの指摘もあり、Web3と名乗りながら実態はWeb2化するという矛盾が露呈したのです。

戦略転換と経営判断による中止・一時停止

一部のweb3 ゲームは資金問題ではなく、企業の経営判断による戦略転換により中止されました。

Champions AscensionはRough House GamesとOverworldが共同開発した格闘ゲームでしたが、2024 Gam3「ベストファイティングゲーム」賞を受賞した実績を持ちながらも、開発リソースを新プロジェクト「REACH」に集中させるため一時停止。これはweb3 ゲーム分野での失敗というより、企業が別のビジネスチャンスを優先した判断です。

Jungleはweb3での「プレイして稼ぐ」モデルから、完全にオフチェーンの無料モバイルゲーム開発へシフト。1年間のコミュニティ活動を経て、プロジェクトの持続可能性を優先した結果として、Web3統合を完全に放棄する決断に至りました。

Loot LegendsはHYCHAINの親会社判断により、ゲーム配信部門全体の閉鎖対象に。Web2ゲームとしての25,000人以上のアクティブプレイヤーを有しながら、企業がプラットフォーム「HYTOPIA」への経営資源集中を選んだことで終焉を迎えました。

Tatsumeekoも複数回のプレイテストと強力なコミュニティの関与があったにもかかわらず、「中核となるコンセプトと前進する自信が欠けていた」との理由でプロジェクト中止。持続可能性への不安がweb3 ゲーム開発を停止させるに至りました。

廃止相次ぐweb3 ゲーム:その他の主要案件

Derby Stars/Derby RaceはTerraの暴落以降、長期的な資金難により終了。Polygonからimmutableへの移行を試みるなど対応を図りましたが、投資やユーザー増加を引き付けられず結局閉鎖。

Blast Royaleは開発を中止し、2025年6月30日にサーバーをシャットダウン。その一方で、ゲームをオープンソース化し、コミュニティメンバーが継続開発を行える道は残されています。

Mystery Societyは資金調達難を理由に開発を一時停止。Web3要素を除いたゲームをSteamで再リリースする可能性を検討中です。

Goomblesは2024年のリリースで339人のプレイヤーに留まり、さらなる開発をサポートする規模に達せず開発中止。

MetalCoreは公式声明がない中でも、更新停止とサーバーダウンから実質的な閉鎖の可能性が高いとみられています。

Rumble Kong LeagueはNFTローンチやステファン・カリーなど著名人の支援を受けながらも、期待された目標を達成できず開発チームが離脱。ブラジルの企業への売却が検討されているとの情報もあります。

The Walking Dead: EmpiresはGala Gamesの戦略的再編により、2025年7月31日に終了予定。ゲーム内NFT保有者には代替NFTが提供予定ですが、詳細は依然不確定な状態です。

投資が71%激減:Web3ゲーム業界の現実

これらの個別プロジェクトの失敗の背景には、業界全体の投資環境の悪化が存在します。DappRadarのレポートによると、2025年第1四半期のweb3 ゲーム投資は前年同期比で71%減少し、わずか9,100万ドルまで落ち込みました。ユーザーベースも前月比6%減少し、1日あたりのアクティブなウォレット数は580万に縮小。

Footprint Analyticsの調査では、さらに深刻な状況が明らかになっています。暗号通貨市場全体が堅調を保つ一方で、web3 ゲーム部門は2025年1月に急激な衰退を経験。時価総額は19.3%減の223億ドルに落ち込み、取引量は12.4%減少しました。プラットフォーム統合、投資家関心の低下、Wax、opBNB、Aptosなどのチェーン間競争——これらが複合的に作用してweb3 ゲーム市場を圧迫しているのです。

投資家がweb3 ゲームから離れた本当の理由

投資の激減は、単なる市場の浮き沈みではなく、戦略的な資金シフトを示唆しています。投資家たちはweb3 ゲーム分野からAI技術と現実世界資産(RWA)へ資金を振り向けています。これはブロックチェーンゲームというジャンル自体が、当初の期待ほどの収益性や市場規模を生み出せなかったことへの実質的な投票です。

「プレイして稼ぐ」というweb3 ゲームの根本的なバリュープロポジションは、トークンの価格下落と規制強化の前に陳腐化しました。多くのプレイヤーがゲームの楽しさよりも報酬を期待し、経済モデルが疲弊すると同時に、プロジェクトも衰退するという悪循環が生まれたのです。

生き残るweb3 ゲームに求められる条件

17のタイトル終焉の中にあっても、web3 ゲーム業界は完全には消滅していません。むしろ、この衝撃的な淘汰過程こそが、業界の成熟化への必要不可欠なプロセスとも言えます。

生き残るweb3 ゲームが備えるべき条件は明確です。第一に、ゲーム性そのものの優秀性。Web3要素やNFTはあくまで付加機能であり、根底にあるゲームタイトルとしての面白さが絶対不可欠です。第二に、現実的で持続可能な経済モデル。トークン価格に依存しない、健全な遊戯価値の提供。第三に、セキュリティとコンプライアンスの徹底。ハッキングや不正行為への厳格な対応。

2025年から2026年にかけて、web3 ゲーム業界は転換点を迎えています。大規模な資金と過度な期待に支えられた時代は終わり、真の実力を備えたタイトルのみが生き残る「真の競争の時代」へ突入したのです。

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